68歳男性.心窩部痛を主訴に来院され,上部消化管内視鏡検査で胃体下部に3型腫瘍を指摘された.腹部造影CTでは,胃領域リンパ節に加え傍大動脈リンパ節に多数のリンパ節腫大が認められた.病理組織検査でHER2陽性であったため,S-1+oxaliplatin+trastuzumabによる全身化学療法を開始した.7コース施行後のPET-CTでは胃体下部にのみFDG集積を認め,領域リンパ節及び傍大動脈リンパ節へのFDG集積は認められなかった.Conversion Surgeryが可能と判断し9コース実施後に開腹幽門側胃切除術を行った.病理組織検査ではypT2, ypN0 (0/12), Ly0, V0, ypStage IBであった.術後の補助化学療法は施行せず現在まで術後9か月無再発である.切除不能進行胃癌の生存期間中央値は約15か月と予後不良であるが,Conversion SurgeryによりR0切除を達成した場合の長期生存例がいくつか報告されている.全身化学療法が著効しConversion SurgeryによりR0切除を達成した切除不能進行胃癌症例を経験したため,文献的考察を含めて報告する.
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