目的:本研究は,介護福祉専門職のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)ファシリテーターがACPを実践する上で感じる阻害要因を明らかにすることを目的とした.方法:2021年12月から2022年1月にかけてGoogleフォームを用いたオンラインアンケート調査を実施した.2020年度広島県ACP普及推進員養成研修修了者82人及び広島県福山市ACP推進協力員登録者138人,計220人を対象とした.調査内容は,対象者の属性等に加え,ACPの阻害要因に関する質問37項目についてそれぞれの重要度を7件法で尋ねた.看護師,医師(「看護師・医師」)と,それ以外の医療職及び介護福祉職(「介護福祉職ほか」)の2群に分けて比較した.結果:67人から回答を得た(有効回答率34.4%).介護福祉職ほかのACPの阻害要因として,1)ACPの知識不足,2)ACPの実施に関して自分よりも他職種が適しているという考え,3)制度・環境面から意向の実現が困難,が明らかになった.看護師・医師は,時間不足を重要な阻害要因として感じていた.1)職種に応じたACPへの関わり方の明確化,2)職種に応じた教育機会の拡充,3)ACPの意思決定プロセスを支援するツールの活用,4)情報共有システムの基盤構築といった対策が,介護福祉専門職のACPファシリテーターによるACPの実施促進に有効と考えられる.結論:本研究で明らかになった阻害要因に対する対策を講じることで,介護福祉専門職のACPファシリテーターによるACPの実践が促進され,地域においてACPは普及していくと期待される.
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